きゃめるんの ぼくのパン

きゃめるんの ぼくのパン

2026年6月20日

どんな おはなし?

おなかの中で見つかった昨日のパン一枚を、きゃめるんが『これは、ぼくのパンるん』と言いながら、これは砂の音、これはママの手、これは昨日のお昼寝……と中身をひとつずつ言い直していくうちに、パンはみんなで分ける朝ごはんになっていた。

主役=きゃめるん。1プロップ=おなかの中から出てきた『昨日のパン一枚』。反復ジェスチャー=『これは、◯◯るん。』(パンを別のものに定義し直し続ける)。きゃめるんのまるいおなかから、ぺしゃんこの古いパンが一枚ぽろり。みんな『ただの 古いパンじゃん』。でもきゃめるんは『これは、ぼくのパンるん』と言って、パンを手にのせて言い直しはじめる。『これは、きのうの すなの おとるん』『これは、ママるんの てるん』『これは、おひるねの ゆめるん』『これは、ほめられた ことるん』——一枚のパンに、思い出が層になって積み重なる。聞いていたみんなが『じゃあ、ぼくのは これるん?』と、自分のおなか(ポケット)から一かけらずつ出して並べる。気づけば、ばらばらのパンが大きな朝ごはんに。みんなで生地みたいにくっつけて、ちぎって分ける。サードウェイ=『これは古いパンだ』という一つの意味を、言い直し続けて何層もの意味に開く(引き算でなく、意味の足し算)。円環=最後の一かけらをまたおなかにしまって『あしたの ぶんるん』。オチ:リマ『ぜんぶ パンの はなしだったね』きゃめるん『パンは、おもいでが いっぱい つまってて、おもく ないるん』。既存の手放し型でなく、一枚のパンに文化・記憶・家族を込めて分け合う『定義し直し』の新型。

この絵本のテーマ(大人の方へ)

うまくできなくても、いいのかもしれない。きゃめるんは水を運ぶのが下手で、運ぶたびに「ぱしゃ」とこぼしてしまいます。正攻法でがんばっても空っぽになるお椀。でも、その「こぼした失敗」が点々とつながって、暑い日にみんなの足を冷やすひんやりした水たまりの道になっていました。できないことを無理に直すより、できないままで誰かの役に立つ道もある——がんばる前に、ちょっと違う道をいく。そんな「サードウェイ」のお話です。

読み聞かせ動画

きゃめるんの ぼくのパン の動画サムネイル

動画は YouTube で公開予定(近日)。